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チャレンジの顛末


車輌の準備ヨシ!
周辺のガジェット制作も抜かりナシ!
気合いも充分!

職場のクリーン作戦も滞りなく終了し,急いで家に帰って茨城行きの準備を行う。

がしかし,テレビのニュース曰く,我が「北関東行き進路」の後方からは雨台風である6号『ナーリー』がジリジリと迫ってきているらしい。
クリーン作戦中はあんなに晴れていたっていうのに…(熱中症になりそうだった)。

台風が上陸する前に三重を発つか?
上陸をやり過ごしてからその後をゆっくりと北上するか?

テレビニュースやYUKA氏と協議した結果,とりあえず(暑さにやられた身体を休めるために)仮眠をとり,その後の様子をみながら安全第一で出発することとなった。
雨が降る前に…と思ってカブをトランポに積み込んでいると,だんだんとチャレンジ感がいや増してくる。
遠足前の小学生と同様になかなか寝つけなかったものの,「睡眠もチャレンジの下準備」と自らに言い聞かせて横になった。

明けて27日,ナーリーさんの歩みが思いのほか遅いことが発覚。

仕方ない,意を決して北関東へ向けて出発する。

水戸藩カブの『星ふる里』は茨城県にあるが,チャレンジ1,000キロのスタート地点となる『ツインリンクもてぎ』の所在地は栃木県だ。
今回は,常磐自動車道を通らずに東北自動車道を使って北上することにした。

東北自動車道(栃木経由)といえば宇都宮餃子である。

この後の24時間では寸暇(食事を摂る時間)を惜しんで奔り続けなければならない。
とりあえずこちらの店で十二分にお腹を満たしておく。


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焼き・すい・揚げ,これがこの地でのベストオーダーだ。


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燃料補給完了。

スタート前の仮眠をとるため,一路『星ふる里』に向けて再出発する。

ベースに到着すると,トランポやテントサイト周辺は妙に静まりかえっている。
チャレンジャー達はこの後の走りに備えた準備(仮眠)に余念がない。

皆さんの睡眠を邪魔しないよう,騒音の発生に気をつけて静かにトランポからカブを降ろす。

続いてテントの設営。
ライトの灯りにも気をつけて作業を進める。
暗闇でゴソゴソ。

すると,事務局の建物から誰かがこちらに向けて近づいてくる。

「どうしました?」

「ウルサくないよう気をつけてテントを張っていましたが起こしてしまいましたか。申し訳ありません。」
と自分。

「………」

事務局員からの返事はない。

しばらく間をおいてからの局員の言辞,
「あのぅ,皆さんはとうの昔に出発していますよ。」
「はやい人ならもう少しで帰ってくる頃なんじゃないですかねぇ。」

「………」

今度はこちらが絶句した。

事務局員と思っていた方は『1,000キロチャレンジ』のオーガナイザーである阿久津さんの奥さま(通称「お母さん」)その人であった。
お母さん曰く「チャレンジのスタートである『土曜の深夜』は 24時ではなく 0時」であるらしい。

大事なところでそつを出す
それが俺クオリティ…。

事務局でうなだれていると,奥から雑誌で見たことのあるS川さん(ポルシェ356SC乗り)が顔を出してみえた。
強面のS川さんであるが実はとても気さくな方で,落ち込んでいる自分に対してもやさしく声をかけて下さった。

なんでもS川さんはトップを快走していたものの,折りからの雨にたたられて(パワーフィルター仕様のキャブが雨水を吸い込んで)リタイアしてしまったらしい。

S川さんやM田さんに水戸藩カブの愉しみ方などを教わっていると,暗闇を切り裂いて近づいてくる1台のOHVサウンドが。

往年のヨシムラ所属レーサーであるK氏だ。
え? この時間で 1,000kmを走って帰ってこられるの?

車輌のオドメーターを見せてもらうと確かにコースを完走している(厳密にいうと今年のコースは 1,000kmではない)。


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腕に憶えのあるレーサーはカブに乗っても速いのか。

そうこうしているうちにもう1台のカブが帰ってきた。
『走る銀色の矢』のオーサーであるシルバー氏だ。


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氏からも今回のチャレンジの過酷さ(雨対策の重要さ)や今後のためになる貴重なお話しを伺うことができた。

バケツをひっくり返したような雨の中で行われた今回のチャレンジ。
他のチャレンジャーの安否やいかに?
深夜も1時を過ぎたころ,とりあえずゴール地点である『ツインリンクもてぎ北ゲート』に行ってみることにする。


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すると,ゲート手前に少数の人だかりが。
ゴールしたチャレンジャー達だ!


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食糧庁カラーのC105。
綺麗にまとまった一台だ。


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もはや素人の域ではないモディファイが施されている車輌。
でも,機関はもちろんOHV。
それがチャレンジ1,000のレギュレーション。


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ハンドル周りに有料トンネルの通行料金を貼り付けている車輌もあった。
プリミティブだが有用な試みだ。

これ以降,2時を過ぎてもゴールするチャレンジャーは一向に現れない。
それだけ過酷なツアーだったんだろう。

再び『星ふる里』へ引き返す。

3時頃だっただろうか,ようやく藩主の阿久津さんが『星ふる里』に帰還された。



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御年84歳。
60年前に造られた 55cc のOHVで,大雨と炎天下のなか,24時間眠らずに(食べずに)1,000kmを走りきる。
本当にすごい人である。


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お母さんとU野さんの手によって,完走者にモロヘイヤ入り「完走うどん」が振る舞われた。
恐縮ながら,自分もこの完走うどんをいただいてしまった。
出走すらしていないのに…。

うどんはとても美味しかった。


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夜が明けてくる頃には多くのチャレンジャーが『星ふる里』に戻ってきた。



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美味しいスイカが配られたころ,ボチボチと帰宅の途につくチャレンジャー達も現れ始めた。



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名残り惜しいところではあるが,自分も(チャレンジが叶わずホテルの予約をキャンセルしたため)予定を変更して今日中に三重まで帰らなければならない。

阿久津さんにそのことを告げると,「次は日の入り・日の出・日の入りツーリングですよ」との嬉しいお誘いをいただいた。
また,お母さんからは「YUKA氏へ渡してほしい」と手作りのブルーベリージャムをいただいてしまった。


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また近いうちにここへ戻ってこよう。
そして,来年のチャレンジでは完走を果たしたのちに大きな顔をして「完走うどん」をたいらげよう。

一年後のリベンジを誓って『星ふる里』をあとにした。






Commented by たかぴい at 2019-08-12 08:29 x
noritoyuka さんへ
意外な顛末でしたね。1日違っていたとは・・・
子供の友達が結婚式の2次会の日を1日間違えたという笑い話
を聞いたばかりです。

それにしても「完走うどん」を頂けるとは。
みなさんが集まる理由があるんですね。かみさんが協力
的というのはうらやましい。人を呼ぶのは苦手な我が家
のかみさんでは無理ですが、人には得て不得手あります
から。

来年期待しています。

天気が良くないのですが、台風が去ったら久しぶりに
ソロキャンプに出掛けるつもりです。
今年は低予算で、充実した夏休みを目指しています。

今日は、かみさんの実家で昼食会です。暑いなあ。
Commented by たかぴい at 2019-08-12 18:53 x
追伸

今だに正しいカブの変速方法がわかりません。
バイクの基本としてエンジンブレーキを使ってはいけない
とは思っているので、走行中にギアダウンはないとは思う
のですが・・・

その2
断然カブが欲しくなりました。
あと20年生きるかどうかわかりませんが、バイクは20年
以上は持ちます。ゼファー1100だって誕生から25年以上
経過していますしね。

新しい色の125のカブが欲しいですが、今、火の車なので
決断できません。
Commented by noritoyuka at 2019-08-19 01:17
> たかぴいさん

走行にあたって

スタートは静かに行い,走行速度に応じたチェンジをして下さい。
回転のあがり過ぎは悪影響をきたすからです。

自動遠心式クラッチになっており,或る回転以下になり走行しにくくなりますから,車のスピードに応じてギヤーを切換えるようにその要領を会得して下さい。

ほとんどの坂道は,普通の状態で特に急な坂,2人乗で登る坂(C105型)荷物を積んで登る坂などの場合はセカンドまたはローで登ります。

トップで走行中,坂道にさしかかり,減速する場合は,加速するときの反対にその操作を行えばよい訳です。

この際注意することは,スロットルグリップ,チェンジの諸操作は車の惰力を落さないようにすみやかに行なうことです。(原文ママ)

  『ホンダスーパーカブ C100型 C105型 取扱説明書』

最後のくだりにあるとおり,「車の惰力を落さないように~」といったところがコツなんでしょうか。
一般的なカブは手元にレバーがないため,クラッチミートのタイミングが難しいです。

ときに「ペダルを踏み込んだ状態でスロットルを煽り,回転を合わせてからシフトダウンする」なんてことをいう人もいますが,感覚的には実践がむずかしいところです。

その2について,
それは「購入するから背中を押してくれ!」ってことですね。

思いきり背中を押したいところですが,それを実行するのは 600Sが動かなくなったときにしておきます。
by noritoyuka | 2019-08-12 05:02 | カブ | Trackback | Comments(3)